植物の栽培がもっと楽しくなる   服(繊維) 生まれの土TUTTIの秘密を探る

植物の栽培がもっと楽しくなる 服(繊維) 生まれの土TUTTIの秘密を探る

Journal21 January 2022


TUTTI(トゥッティ)とは、ポリエステル繊維を主体に、人工ゼオライトなどを特殊配合した「繊維でできた土」のこと。より正確に言えば土ではなく「培土」。このTUTTIを使えば、毎日の水やりと肥料を適度に与えるだけで、植物を手軽に元気に育てることができます。


お気に入りの服を大事に使ったあとは、花や野菜、果実といったグリーンへと変えていきたい。

rito structureはスタイレムの一員として「PLUS∞GREEN PROJECT-緑を増やす、未来へつなぐ-」に取り組み、TUTTIを販売しています。また、サステナブルな生活に彩りをプラスできるようオリジナルのグラスプランターを販売しています。



「PLUS∞GREEN PROJECT(プラスグリーンプロジェクト)-緑を増やす、未来へつなぐ-」は、従来廃棄される衣類などのポリエステル繊維を培地としてリサイクルすることで、人々がサステナビリティに親しみを感じるライフスタイルの実現を目指すスタイレム瀧定大阪株式会社のプロジェクトです。

植物の栽培が苦手な人ほどおすすめしたい新感覚の土

長年の研究開発を重ねている「ポリエステル繊維リサイクル培土」のTUTTI。単にサステナブルな製品というだけではなく、ハウス栽培をおこなうプロの農家も採用するほど大きな利便性を秘めています。

TUTTIの特長

・非常に軽量のため運搬や栽培作業が容易です。

・経年劣化が生じにくく、植物や作物の連作栽培が可能です。

・植物の根の張りがよく、養水分の吸収に優れています。

・栽培期間を通して、水分の保水性が安定しています。

・成長に合わせた肥料の調整が容易です。

根菜類も栽培可能です。

・虫が発生しにくく、室内栽培にも適しています*。

 *無機肥料使用の場合

廃棄されてしまうポリエステル繊維の

弱点をメリットに生かす

TUTTIが生まれるきっかけは、道路脇に落ちていた衣類から雑草が生えているのを見かけたことによります。そこから、環境問題への取り組みとして、大量に廃棄される衣類を培養土にする試みがスタートしました。そこでまず注目した繊維がポリエステルです。というのも、世界で排出される衣類のなかで、もっとも大きな割合いを占めているのがポリエステル繊維であり、安定的に供給可能な素材ともいえます。


混合する多孔質素材の研究も進むなか、コットンなどさまざまな繊維で試してみましたが、結果的にポリエステル繊維が植物の成育に最適な素材だということが判明しました。化学繊維ゆえに微生物に分解されず、形状変化もない。水はもちろん肥料など薬品に対する耐久性も高いため、土のように植え替える必要がなく永続的に使用することができるのです。土に還ることがない弱点がメリットに変わる瞬間でした。

みんなの衣類がTUTTIに生まれ変わるまで


⑴ 日本全国から集められた古着や端材、反物、未使用の衣服などが集められます。そこから、ポリエステルや綿など素材ごとに分別がおこなわれます。


⑵ 大きなファスナーやボタンなどは人の手でカットして裁断機に投入。わた状にしやすいよう約2~3cm辺に裁断していきます。


⑶ 裁断された生地はホッパーと呼ばれる、かぎ爪がたくさんついたローラーに入れられ、何度も生地を引っ掻きながらわた状にしていきます。一連の工程は「反毛(はんもう)」と呼ばれ8~10回繰り返されます。かつて繊維は貴重品であり繊維業が盛んな土地には必ず反毛屋さんがありました。しかし、近年は商売として成り立ちにくく衰退の一途をたどっています。一方で、環境意識への高まりからこの1〜2年で突然注目が集まるという状況になっています。


⑷ わた状になった繊維は袋詰めされてフェルト工場に運ばれます。ここでさらにガーネットと呼ばれる機械で細かいわた状にしてから、熱で溶ける樹脂を混ぜ込みます。それをシート状に並べ、ニードルパンチ(カギ状の針を高速で打ち込み繊維を絡ませる)をかけることでフェルトにしていきます。


⑸ シート状になったフェルトに熱風を加えると、樹脂が溶けてより安定したフェルトになります。熱の温度やプレスの圧力によってTUTTIに最適な厚みや硬さに調整され、その後8mm辺にカットされます。


⑹ チップ状になったフェルトに、水を加えながら人工ゼオライトやパーライトといった多孔質素材を混ぜ合わせて完成です

気分をハッピーにさせてくれた服

最後はグリーンへ循環させたい


お気に入りの服を着てお出かけをする、おうち時間を過ごす。

ファッション好きのあなたなら、それがどれだけハッピーなことか体感していることでしょう。一方、サステナブル、SDGs、カーボンニュートラルといった言葉が示すように環境への取り組みは現代社会に生きる私たちにとって必要不可欠なものでもあります。


従来なら廃棄されてきた衣服などのポリエステル繊維を培土として、花や野菜、果実といったグリーンを育てるPLUS∞GREEN PROJECTの試み。その循環は私たちにもできる小さなサステナブルといえます。TUTTI(トゥッティ)には土という意味はもちろん、オーケストラのメンバーが全員で合奏するというイタリア語の意味も含まれています。また、ロゴにリピート記号(:||)がついているのは、みんなでリサイクルすることで資源を大切に循環させたいという思いがあるからです。